平成24年度PA会国際研修(第1回)のご報告

知的財産保護の現場活動として無視することができないものであり、また企業関係者にとってはブランド保護の観点から最も関心が高いことの一つでありながら、普段の弁理士活動では触れる機会が少ない模倣品対策について、その現状を知る機会として、模倣品対策の実務に関する研修を開催いたしました。

講師には、日本国内で弁理士資格を取得後、フランスのプラスロー特許商標事務所にて日本顧客サービスグループ長をされている、竹下敦也先生をお招きしました。プラスロー特許商標事務所には傘下に模倣品対策専門会社があり、模倣品対策コンサルタントと日常的にお仕事をされる機会がある竹下先生から、知財関係者、とくに企業に勤務する方たちにとって非常に興味深い視点に立って、模倣品対策の実務について、情報収集から、戦略策定、税関申請と法的措置の発動を通じて、模倣品の駆逐まで、非常に幅広いお話をうかがうことができました。その内容は、まず前半は、世界全体を対象とした模倣品の流通や模倣品対策の一般的な内容についてお話があり、後半は、ヨーロッパを対象に、特にEU全体での取り締まりと、制度がそれぞれ異なる各国税関での取り締まりという、二面性を有する現場のお話を、並行輸入品についてのお話も含めつつ、お聞きすることができました。

セミナーは、開始直前に機器トラブルに見舞われ、開始が数分遅れてしまったという事情にもかかわらず、途中の休憩を短くしても最後は15分以上も質疑応答が続くという、熱のこもった内容となりました。また、研修後の懇親会にも15名弱の先生方が参加され、竹下先生の気さくなお人柄も手伝って、2時間という時間があっという間にすぎる会となりました。

以上

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